前回、ターメリック×ターメリックの記事で「秋ウコンはカレーのように油と加熱して調理すると苦みもなく、スパイスとしていろいろな料理に応用できます。」と書きましたが、春ウコンについては何もお伝えしておりませんでした。するとお客様から「こちらで購入致しました春ウコンを、スパイスを合わせたカレー粉にして食べたのですが、秋ウコンでカレー粉を作った時に比べて、だいぶはっきりとした強い苦味があるのですが」というメールをいただきました。
そこで、春ウコンを使って同じレシピでカレーを作ってみると、確かにくっきりとした苦みがあります。春ウコンは秋ウコンにくらべてクルクルミンが少なく精油成分が多いため秋ウコンより苦みが強いのですが、いろいろなスパイスを加えたカレーにしたときでもその主張が弱まることはなく、後味として残る苦さがありました。苦みのためかなかなか進まず、少しずつゆっくり口に運んでなんとかひと皿食べ終わるという感じ。家人の感想も「決しておいしいものじゃないね」とひとこと。私が春ウコンについてはっきりお伝えしなかったばかりに、お客様には申し訳ないことをしてしまいました。
カレーで春ウコンを使うとしたら、秋ウコン(ターメリック)の代わりに春ウコン(ワイルドターメリック)を使うのではなく、秋ウコンをメインに春ウコンをほんの少し(1割以下)加えるかたちでカレー粉を作られるといいと思います。
では、苦い春ウコン、どうやったらおいしくとれるでしょうか。
ふだん、うちでは、春ウコンはパパイヤ葉茶にほんの少し加えて飲んでいます。毎日コンスタントに春ウコンをとりたい場合は、お茶にして飲むのがカロリーもなく手軽です。
水1.5lに対し、パパイヤ葉茶(もちろんほかのお茶でもかまいません)大さじ3、春ウコン粉末小さじ1を入れ、沸騰後約20分煎じます。このお茶は、もちろん春ウコンの味がする薬草茶になりますが、パパイヤ葉茶の風味とブレンドされ、苦みという苦みは感じません。
豆乳また牛乳にウコンを混ぜて少しの甘みを足すターメリックラテ(ゴールデンミルク)は、春ウコンでも大丈夫です。それでも苦みが気になる場合は分量で加減してください。
スイーツに使うのもおすすめです。
たとえばこれ、春ウコンを使ってカニステル・ココナツマフィンを作ってみました。
200gの粉類に対して春ウコン小さじ1。スパイスとして味にアクセントをつける使い方です。ほのかに春ウコンの風味がするだけで、苦みはまったく感じられません。
今回は待ったなしに熟れたカニステルがあったのでカニステルを使いましたが、蒸したかぼちゃやさつまいも、バナナ、みじん切りにしたズッキーニ、すりおろしたにんじんなどでもおいしくできると思います。
〈材料〉
A : 薄力粉 100g
全粒粉 50g
アーモンドプードル 20g
ココナツフレークファイン 30g
ベーキングパウダー 小さじ1.5
春ウコンパウダー 小さじ1
B : オリーブオイル 75cc
豆乳または牛乳 60cc
砂糖 60g
塩 小さじ1/4
卵 1個
カニステル 200g 〈またはつぶしたバナナ、蒸したかぼちゃ、蒸したさつまいも、みじん切りにしたズッキーニ、すりおろしたにんじんなど〉
ココナッツロング 適量
〈作り方〉
①Bとカニステルをミキサーで混ぜる。
②Aをふるい、①とさっくり混ぜる。
③型に入れてココナツロングをまぶし、170℃に予熱したオーブンで20分焼く。
アーモンドプードルを使っていますが、ココナツフレークファインだけでもいいと思います。
苦みの強い春ウコンですが、認知症予防、がん抑制、免疫力強化、脳機能の向上など、さまざまな薬効が検証されています。味にアクセントをつけるスパイスとしての使い方で、少しずつとりいれてみませんか?