ハーブウォーター

ハーブウォーター/芳香蒸留水/ハイドロゾルとは

パキスタンで発掘された素焼きの原始的な蒸留器は、紀元前5000年頃のものと推測されていますが、本格的な蒸留技術が生まれたのは10世紀のこと。ペルシャ人の医師アビケンナが、バラの花びらから薬用のローズウォーターを得る目的で、蒸留を始めたといわれています。

15~16世紀にかけ、蒸留技術はさらに改良されました。トルコ原産のダマスクローズを蒸留したローズウォーターは、飲用したり、肌に塗布したりと、中近東やヨーロッパでたいへん貴重な治療薬として扱われます。

17世紀に入ると、バラ以外にもラベンダーやヤグルマギク、カモミールなど、さまざまな植物を蒸留した新しいハーブウォーターが登場。18世紀には200種類ものハーブウォーターが使用されていたといわれ、この時期がハーブウォーターの絶頂期となります。

19世紀からはアロマテラピーが普及し、精油の使用量が増えるとともに、ハーブウォーターの使用は徐々に少なくなりました。ハーブウォーターは精油に比べると作用が緩やかで、すぐに薬効がみられないと判断されたことが原因のようです。

ハーブウォーター/ハイドロゾルと精油

水蒸気蒸留には、「スチーム蒸留法」(外部から水蒸気を供給。大量生産向き)、「水蒸留法」(釜の内部から水蒸気を供給)、「真空低温蒸留法」(植物内の浸透圧を利用)の三つの方法があり、nauhiaherbでは、「水蒸留法」を用いています。釜の部分は調理用の蒸し器と同様、釜の底にためた水を熱し、網で隔てた上部に刻んだ植物を均一に詰めます。

 

植物に含まれる精油成分の蒸気圧と水の蒸気圧との和が、蒸気釜内の圧力と等しくなると、精油は水蒸気とともに沸騰して気化(気体になること)します。この気体が釜ぶた上部の空冷塔から右側の冷却水塔に移動、冷却水塔内で細く長いらせん状の管を通る間に冷やされると、水蒸気が液体になると同時に、気化していた精油成分も液化します。

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蒸留中は密閉していますが、液化が見えるようにふたを開けて撮影。

 

それぞれの芳香物質には水に対する飽和濃度が存在し、その濃度を超えた芳香物質、すなわちエッセンシャルオイルが蒸留水から分離して、水面上に分離層を形成します。それをとりだしたものが精油となります。その場合の精油には、飽和濃度に達しない水溶性の芳香物質は含まれません。

シトロネラグラス蒸留水
シトロネラグラスの蒸留水。表面に直径2cmほどの大きな精油分の分離層が見える。

精油を分離せずオールインワンの芳香蒸留水を目的に蒸留した場合は、飽和濃度に関係なく、すべての精油成分が芳香蒸留水中に含まれます。特に「ハイドロゾル」という呼称は、旧フランス薬局方で、精油ではなく、ハーブウォーターを得る目的で水蒸気蒸留した場合に使用されていたそうです。nauhiaherbのハーブウォーターは、このオールインワンの芳香蒸留水です。

エッセンシャルオイル・精油を利用する際は刺激性を回避するため、肌に直接触れないようにする、適切な方法で希釈する、などの注意が必要となりますが、芳香化合物を溶解状態で含むハーブウォーター/ハイドロゾルでは、エッセンシャルオイルは完全溶解しており、はるかに低濃度なので、精油にくらべて低刺激性となり、安心して使うことができます。(といってもゼロではありませんので、お肌の弱い方、アレルギーの方などは気をつける必要がありますが)

近年になって、再びハーブウォーターの価値が見直される時代となりました。精油を分離しないハーブウォーターは、精油成分のほかに、水溶性の有効成分もすべて含みます。また、花の生命エネルギーを水に転写するフラワーエッセンスと同じように、基原植物のすべての生命エネルギー(物質科学的にも、スピリチュアルな観点からも)を、ホリスティック~全包括的に含みます。

蒸留する際の水は、石垣島中心部にある於茂登岳の湧き水を使用しています。塩素など添加されていない、天然の生きた水です。

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蒸留試験を繰り返して割り出した成分濃度のピークで蒸留を打ち切り、一次蒸留水のみお届けします。

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冷却水温度の見張り番、ガーくん。39℃以上になると赤ランプを点滅して知らせてくれます。

月桃ハーブウォーター

シトロネラグラスハーブウォーター