先週思い立って、タマヌのマザーツリーに会いに行きました。すると翌日FBの思い出機能で、二年前に会いに行っていた記録が出てきました。”毎年この時期になると行きたくなる”、そういう場所って、誰にでもひとつやふたつありますよね。

私がこの時期につい来てしまうのは、タマヌ~テリハボクの巨木が何本も立っている浜辺です。この巨木の下で初めてタマヌの実を手にとったので、勝手に”タマヌのマザー・ツリー”と呼んでいます。遠く南太平洋の島々から流れてきた漂着種子がこの浜で芽を出し、成長したのだとしたら、石垣島のテリハボクの木の中でもかなりの古株なはず。そういう意味でもマザー・ツリーなのかもしれません。

今年は大きな台風が来たのでタマヌの実は小さいうちにだいぶ落ちてしまい、いつもの半分以下しか収集できませんでした。今ここで落ちているのは、強風を持ちこたえて大きくなった実でしょうか。

外皮がむけて、コルク質だけになった実もけっこうあります。命の種はこの堅いコルクに守られて、大海原を旅します。


一番最初は、このコルク質になった実を拾い、ドリルで穴をあけてビーズにし、原始機で織ったタペストリーの裾飾りにしました。

ドリルで穴をあけたとき、コルクの殻の中からクリーム色のすべすべした仁があらわれ、「生きてるんだ!」と、ドキッとしました。 本当に美しく、生まれたての赤ちゃんのように無垢な生命力を放っていて、大きな木へと成長する可能性を秘めている。このままビーズにしてしまうのは申し訳ない…。そう感じました。
それからテリハボクという木とその実について調べ、過去には食用にされたり、この実から油を搾って灯火などに使っていたこと、また南太平洋の島々では、このオイルが古くから皮膚の万能薬として使われていたことを知り、石垣島のテリハボクの実でタマヌオイルをつくろう、と思いました。海外の文献を片っ端から読み、海外産のタマヌオイルをあれこれ試し、搾油機を入手し、すべてが試行錯誤のなか、やっと満足のいく美しいオイルを絞ることができるようになりました。



大切にしているのは植物の恵みをそのままに、できるだけ自然そのものの生命力を宿した100%のピュアオイルであること。粒のまま、加熱しないコールドプレス(低温圧搾法)で絞り、濾過も無漂白紙を使った自然濾過です。同じく自然を大切に考える地元の化粧品会社とご縁をいただき、国産のタマヌオイルとしては日本で初めて商品としてお届けすることができました。「石垣島タマヌオイル」はnauhiaherbが正式に登録している商品名です。
また、タマヌオイルに月桃の葉を漬け込みインフューズドオイルにしようと考え、月桃精油も配合した香りのよい「石垣島月桃タマヌオイル」を作りました。月桃は古来から石垣島でさまざまに利用されてきたハーブで、抗酸化成分や美白成分が豊富なことが研究により明らかになっています。

タマヌオイルの知名度はまだそれほど高くありませんが、たとえばディオールのカプチュール ユース インテンス R オイルには、主要な保湿成分としてタマヌオイル(テリハボク種子油)が配合されており、「脂肪酸を含むタマヌオイルが、肌のバリア機能をサポートし、やわらかさを与えます」と紹介されています。色はほぼ透明で、潤いながらべたつかない使用感にはタマヌオイルの存在を感じましたが、成分表示を見なければタマヌオイルが入っているとは気がつかないでしょう。
そんなふうに目立ちませんが、世界的なブランドコスメでもタマヌオイルは注目されています。最近はいろいろなメーカーでも、同じようにタマヌオイルを使ったセラムや美容液などの新商品がぞくぞくと登場しています。
精製され、ほかの成分とブレンドされたオイルは固まらないなど使いやすくなり、他の成分との相乗効果もあるでしょう。ただ、タマヌオイルが本来持つ自然の生命力、という点ではどうでしょう? スキンケアとは科学的に分析された成分だけではなく、そのものが持つ生命エネルギー~波動情報をも肌を通してとりいれるものだと私は思っています。人間が肉体だけの存在ではないように、植物も科学で分析できる成分だけでできているわけではありません。
今の科学ではまだまだ未解明の力~生命エネルギーが、自然のものには宿っています。食べるもの、飲むもの、肌につけるもの…鼻腔で嗅ぐ香り…。できるだけ自然なものを選んで、その生命エネルギーごと、とりいれたい。nauhiaherbのタマヌオイルは、そんな方に使っていただきたいナチュラルなスキンケアオイルです。
濾過しただけのオイルなので、冬、気温の低いところでは固まりやすくなります。でも、それこそが100%のピュアタマヌオイルである証。多少固まっても手のひらにとればすぐ溶けますし、暖房の近くにおいたり、瓶ごとお風呂に連れて行ったり、暖かい居場所をいただければ固まりません。また、固まるのを生かして小さな容器に移し替え、バームとしてお使いいただくのも便利です。

寒風や暖房で肌が乾燥しやすくなるこの季節。しっとりと保湿して、さらっとした使用感のタマヌオイルを、ぜひお試しくださいませ。顔、ボディ、髪など、オールマイティにお使いいただけます。肌や髪につけることでテリハボクという木の生命エネルギーに守られている、そう感じていただけたらうれしいです。