アルガン? マルラ? タマヌ!

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最近美容オイルとして目にするようになってきたのが、アルガンオイルやマルラオイル。新聞の一面広告になっていたり、アルガンオイルは生協でも販売されているそうなので、知名度はかなり高いですね。

乾燥が気になるこの冬、スキンケアにオイルをとりいれようと思っても、どのオイルにしようか迷って選びかねている方も多いはず。アルガンにしようかな、マルラにしようかな、もちろん昔から使われている椿油やオリーブオイルも肌用が出ているし…そしてタマヌオイルって何なん?  (笑) という具合。

農林水産省の資料によると、一般的にオイル成分の比較に使用される項目は、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸の4種類。オレイン酸とリノール酸は不飽和脂肪酸、パルミチン酸とステアリン酸は飽和脂肪酸です。これらの成分が化粧品として利用される場合に期待される効果は、

オレイン酸…保湿力が高い。他の美容成分が肌に浸透するのをサポート。

リノール酸…メラニン生合成抑制およびチロシナーゼ活性抑制による色素沈着抑制作用、皮膚柔軟によるエモリエント作用(皮膚からの水分蒸散を防止してうるおいを保持し、皮膚を柔軟にする生理作用)

パルミチン酸とステアリン酸は、石けんにしたときの界面活性作用や乳化物の感触を改良する作用があります。

各種オイルの特徴や脂肪酸組成については、カネダ株式会社のウェブサイトにある植物油脂一覧表が参考になります。これによると、

椿油…オレイン酸85%、リノール酸4%、パルミチン酸8%。オレイン酸の含有量が高く、リノール酸が少ない為、酸化安定性が良好。頭髪向けがメインで、ふけ・かゆみ防止効果がある。

オリーブオイル…オレイン酸75.2%、リノール酸7.0%、パルミチン酸11.8%、ステアリン酸2.9%。大部分がオレイン酸のため安定。

ということで、昔から髪や肌にも使われてきた椿油とオリーブオイルはオレイン酸の含有量が75~85%と多く、保湿力が高くて酸化しにくいオイルであることがわかります。

では、最近知られてきたアルガンオイルやマルラオイル、そしてタマヌオイルはどうでしょうか? 農林水産省の資料に、この3つのオイルを比較した表がありました。

アルガンマルラタマヌ
農林水産省資料より

マルラオイルはオレイン酸70~78%で、椿油やオリーブオイルと似ていますね。いっぽうアルガンオイルとタマヌオイルはオレイン酸約40%、リノール酸28%と、不飽和脂肪酸の組成はよく似ています。では、何が違うのか?  注目していただきたいのが、表最下段の「期待される効果」という項目。タマヌオイルには保湿、抗炎症のほかに、抗酸化、免疫力向上 とあります。その理由として、「タマヌオイルには4種の脂肪酸のほかに、有効成分が含まれているため」と説明されています。その有効成分とは、

抗生物質カロフィリード(高い抗炎症効果)

カロフィル酸(保湿)

キサトン(免疫力向上、抗酸化)

クマリン(芳香族化合物ラクトンの一種。肌に対しては日焼け止め、服用により血管内血塊予防、抗HIV、抗ガンに有効)

カロフィリードカロフィル酸は、タマヌ(テリハボク)の学名カロフィラム・イノフィラムにも見られるように、タマヌオイル特有の成分。抗炎症効果と保湿作用で、タマヌオイルが古来より〝森の薬局〟、皮膚の万能薬として使われてきた証といえます。

キサトンの免疫力向上と抗酸化作用にも注目。「脂肪酸組成でリノール酸の割合が多いオイルは酸化しやすい」といいますが、リノール酸が多くても、同時に抗酸化成分が豊富に含まれていれば酸化しにくくなります。たとえばごま油はリノール酸43.9%ですが、フェノール性抗酸化剤セサモールのはたらきで酸化安定性が高いオイルとなっています。

タマヌオイルはリノール酸28%ですが、キサトンの抗酸化作用のほかに天然の抗酸化成分トコトリエノール(天然ビタミンE。トコフェロールの40~60倍の抗酸化作用がある)が豊富に含まれています。私はタマヌオイルのみで石けんを作ってみましたが、ブレンダーを使ってもまったく酸化臭はしません。また、圧搾して抽出した生タマヌオイルの経年酸化度を調べていますが、数年前のものでも酸化臭はせず、pHも変わりません(劣悪な環境においた場合はまた別ですが)。

クマリンは植物の芳香成分です。タマヌオイル特有のナッツのような香りには、この有効成分クマリンも一役かっています。「タマヌオイルの香りが大好き!」、とおっしゃってくださる方は意外と多いのですが、「私は好きなんだけど、夫がくさいというので…」と敬遠される方も(笑)。でも、この香りも大切な有効成分のひとつなのです。タマヌオイルの香りが気になるというご意見をいただくたびに、香りを軽減する方法をいろいろと模索しましたが、せっかくの有効成分を少なくしてしまうのはもったいない話です。

そこで、月桃の葉をインフューズドしてエキスを抽出したタマヌオイルに月桃精油を配合。タマヌオイルに含まれる有効な香り成分を減らすことなく、すっきりとしたグリーン調の香りにすることができました。月桃葉エキスと月桃精油にも美肌効果のある成分が豊富に含まれているので、いい香りになるとともに、より美容効果の期待できるオイルとなっています。

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もうひとつ、タマヌオイルの色について。タマヌオイルの黄緑色は濃すぎるのでは、と思う方もおられるかもしれません。でも、この黄緑色の色素も、タマヌオイル特有の有効成分のひとつ。「タマヌオイルの黄色および緑色の色素は、結腸・肺のガン細胞の死滅を誘導する」という研究論文も発表されています。

Yellow and green pigments from Calophyllum inophyllum L. seed oil induce cell death in colon and lung cancer cells

確かに白いシャツやタオルなどに直接オイルが染みると色がついてしまいますが、数滴をお肌にのばしたときには、肌に色味はつきません。

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この写真は、上の写真のオイルの量を減らしたものです。いちばん右側のほう、ここにももちろんタマヌオイルは残っていますが、ほとんど色味はありませんよね。そして、お肌になじんでさらっとした後は、白い布にふれても、もう色はつきません。

タマヌオイル特有の香りと色は、タマヌという植物が自分の身を守るためにみずから作り出した薬用成分のたまものです。

「石垣島タマヌオイル」「石垣島月桃タマヌオイル」は、手作業のコールドプレス(低温圧搾)で有効成分をそのままに残した、100%ピュアタマヌオイルです。どの美容オイルにしようか悩んでいらしたら…ぜひタマヌオイルをお試しください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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