「風邪の効用」とは、野口整体で知られる野口晴哉(はるちか)氏の言葉です
風邪は自然の健康法であり、自然な経過を乱しさえしなければ、風邪をひいたあとはあたかも蛇が脱皮するかのごとく新鮮な身体にリニューアルする
「頭を使い過ぎて頭が疲れても風邪を引く。 消化器に余分な負担をかけた後でも風邪を引く。 腎臓の働きを余分にした後でも風邪を引く。 とにかく体のどこかに偏り運動が行われ、働かせ過ぎた処ができると風邪を引く。」
「風邪を引くような偏り疲労を潜在させる生活を改めないで、 風邪を途中で中断してしまうような事ばかり繰り返しているのだから、 いつまでも体が丈夫にならないのは当然である。」
『風邪の効用』(野口晴哉著/ちくま文庫) より
私がこの考え方に出会ったのは、鍼灸やホメオパシーにふれ始めた30代の頃。
風邪をひくと熱を出し、汗をかき、くしゃみ鼻水、せき、下痢と、身体のあらゆるところから排出作業がおこります。
「身体にたまった老廃物を身体が排出しようとしている。自然治癒力がなせるデトックス、毒出しなんだ!」と腑に落ちてから、風邪はありがたいと思うようになり、市販の風邪薬は飲まなくなりました。
風邪薬はデトックスのプロセスを中断させてしまうもの。最後まで風邪をひききらない(=デトックスが終わらない)と風邪がぶりかえし、なかなか治りません。
薬は飲まず、あたたかくして休み、自然な風邪の経過にまかせると風邪をひききることができ、治りも早くなります。
野口氏はよく風邪をひき、「40分から2時間くらいで経過してしまう」らしいですが、私もこの冬2回ひいた風邪は、どちらも1日半で経過しました。
疲れたし、冷えたなー、と思った数時間後、首の後ろがごりごりに凝りだして風邪の始まり。その後、夜中におなかが痛くなって下痢。朝起きるとのどが痛くて、熱発します。2時間ぐらい熱が出て汗をかいたら、夜にはすーっと下がって気分がよくなり、首の凝りもなくなって身体が軽くなっています。風邪のデトックス終了です。
春は三寒四温、変わりやすい天気も冷えて風邪のきっかけになりますが、生活環境が変わったりして、考えること、やらなければならないことが山積みになり、過労になると風邪をひきます。
小さいお子さんや年配の方、病み上がりの方など体力がなく、風邪の症状で衰弱や脱水の恐れがある場合は別ですが、そうでなければできるだけ自然に経過させてみてはどうでしょう。
そんな悠長なことはいっていられない、栄養剤を飲んででも休めない仕事がある! という方も多いでしょうが…ちょこちょこ風邪をひいてデトックスしたほうが大病になりにくい、と野口氏はいいます。
風邪の排出作業を助けるには、身体をあたため発汗を促す葛湯(葛根湯)やしょうが湯がいいですね。
月桃もショウガの仲間で、身体をあたためる作用があります。
月桃のお茶を飲むとショウガのように辛くないのにカーッと身体が熱くなり、ポカポカしてきます。
グリーン調をベースに、スパイシーさとほんのり甘みも感じる月桃の香り。
芳香性の健胃作用も期待できる月桃のお茶、いかがでしょうか。
じっくり煮出してオレンジ色のお茶になる月桃の実茶
ティーポットでさっと淹れていただける月桃の葉茶
どちらもおすすめです